福田次官のセクハラ相手は、よりにもよって 「テレ朝女性記者は社内でも有名な『反安倍』一派」 因縁は古賀茂明氏の「報ステ」降板から始まっていた
■週刊現代 2018年5月5・12日号
福田次官のセクハラ相手は、よりにもよって
「テレ朝女性記者は社内でも有名な『反安倍』一派」
因縁は古賀茂明氏の「報ステ」降板から始まっていた
より抜粋
麻生が「あいつら」呼ばわり
財務次官・福田淳一を更迭するべく、安倍が麻生に説得を重ねていた4月16日、麻生は語気を強めてこう言った。
「あいつらは、政権を潰すつもりなんですか?卑怯な奴らですよ。福田を辞めさせたら、連中を勢いづかせるだけです」
あいつらとは誰か?
週刊新潮に福田のセクハラを告発した女性記者と、その上司のことだ。「セクハラ音源」を録音したのは、テレビ朝日経済部記者のA子さんだ。
A子さんは、入社10年未満の若手社員だ。入社後は報道とは別の部門に所属し、報道局の経済部に移ってきたのはわずか数年前のこと。新人記者に近いと言ってもいい。
「性格もよく酒も大好きで、人あたりのいい美人なので、報道に行っても十分やっていけるだろうと思いましたが、未経験のジャンルで、苦労が多かっただろうと思います」(前部署の同僚)
そこで上司となったのが、安倍政権と非常にいわくのある人物だった。
テレビ朝日経済部の女性部長・M氏。A子さんより20年ほど先輩だ。'12年から「報道ステーション」のプロデューサーを務めていた。
'15年3月に元経産官僚の古賀茂明氏が番組を降板したときのこと。
古賀氏が番組出演中に突然、「自分がコメンテーターを降板し、さらに担当プロデューサーも更迭される。安倍政権の圧力を受けたテレビ朝日の自主規制によるものである」と発言し、キャスターの古舘伊知郎と言い合いになった。
この「担当プロデューサー」こそ、M氏である。
「反原発のスタンスで、安倍政権に批判的な番組作りをしていると、政権から目を付けられていた。古賀氏が'15年1月に『アイ・アム・ノット・アベ』と発言した際に、官邸から報道局長に『なぜあんなのを許したんだ』と連絡が行った事件は有名です」(テレ朝社員)
この時にM氏を叱責したのが、19日未明に記者会見を行ったテレ朝報道局長・篠塚浩氏だ。政権との距離が近く、早河洋会長とともに安倍と会食をしたこともある。
古賀氏の発言の直後、M氏は番組を外れ、経済部長へと異動となった。
「左遷にみえない人事を心がけましたからね。ご主人も朝日新聞の政治部長をかつて務め、夫婦そろって『反安倍』とみられている」(テレ朝関係者)
この異動の後、M氏の部下になったのが、今回のA子さんだったのだ。
ー略ー
A子さんの場合は別だった。自衛のために録音はしていたが、1年前から「福田から情報をとる必要も、連絡をする必要もない」と上司のM氏から指示されていた。
だが4月4日だけは別だった。NHKが森友学園問題で、財務省の口裏合わせのスクープ報道をした日。記者の性から、A子さんは福田の電話に出ざるをえなかったのだ。
その後のバーでの会話が、新潮に出た録音だ。A子さんは、独断で新潮に持ち込んだという。
だが16日になっても辞める気配もみせず、新潮社を提訴すると息巻いた福田に対し、A子さんは怒りを覚え、会社と交渉を始めた。その過程で「テレ朝」の社名を特定する報道も出始めたため、テレ朝が会見を行うことが決まった。