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欧州で女性指導者続々 福祉重視の「母性的」政府、軍縮小も後押し

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【国際情勢分析】欧州で女性指導者続々 福祉重視の「母性的」政府、軍縮小も後押し(1/2ページ) - 産経ニュース

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欧州各国で女性指導者が続々と誕生している。ルーマニアでは今年1月、ビオリカ・ダンチラ氏(54)が同国初の女性首相に就任し、欧州の現職指導者として10人目となった。女性の指導者誕生の背景には、議員数の一定割合を女性とする目標を政党が明示していることや、政府が社会福祉政策を実行する「母性的」な機関と受け止められているなど文化的事情もありそうだ。

 「ユーロ圏参加は2007年の欧州連合(EU)加盟以来、最大のプロジェクトになる」

 欧州単一通貨ユーロの24年導入を目指すダンチラ氏は3月下旬、こう強調した。ルーマニアが17年、農業やIT分野などを中心にEU域内で最も高い経済成長を見せたことも訴えるなど、ユーロ圏入りを強くアピールしている。

 セルビアでもアナ・ブルナビッチ首相(42)が昨年6月、エストニアでもケルスティ・カリユライド大統領(48)が16年10月に就任。若い女性指導者への期待は高まっている。

 ノルウェーでは、アーナ・ソルベルグ首相(57)が13年の総選挙で勝利し、昨年9月に再選を果たした。米ブルームバーグ通信は景気後退を防ぐため、原油で得た富を記録的な規模で支出した政策が評価されたと報道。「この30年余りの間、保守党で初めて再選された党首」とも伝えた。

 米誌USニューズ&ワールド・リポート(電子版)は、欧州で女性指導者が相次いで誕生する背景には、議員の一定割合を女性とする制度「クオータ」が普及しているという事情があると指摘。アンゲラ・メルケル首相(63)のドイツやテリーザ・メイ首相(61)の英国、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のビグディス・フィンボガドゥティル親善大使が1980~96年まで大統領を務めていたアイスランドでは、政党内で一定数のクオータ達成が目標として掲げられている。

 

スウェーデンの「民主主義・選挙支援国際研究所」によると、女性議員増員を目指す取り組みが奏功し、ドイツの連邦議会では598議席中、218議席(約36%)▽英下院議会で650議席中208議席(約32%)▽アイスランド議会で63議席中24議席(約38%)を女性が占める。日本の女性議員(衆議院465議席中47議席=約10%)とは大きな開きがある。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、欧州では政府が「母性的な」機関と受け止められ、福祉政策を実践する役割を担う「高い地位の政治家」には「女性がふさわし

 

い」とする見方が市民の間で浸透しているとの学者の見解を紹介。それに対し米国では、大統領は米軍の最高司令官という性格を持ち、女性がその職に就くことは「より難しい」と捉えられているとも付け加えた。

 ブルームバーグ通信は、昨年5月に開かれたEUの国防相会議にドイツやフランスなど計5カ国から女性の国防相が出席したことを取り上げ、各国で軍人数が減少傾向にある点に注目した。2016年の軍人数が09年と比べて縮小傾向にあり、特に独、仏、オランダ、スペインの4カ国は、縮小の速度が「防衛のトップを男性領域とする米国よりも速い」と指摘した。

 国防を北大西洋条約機構NATO)軍による集団防衛に委ねている国も多い欧州では、軍事という「父性的」な役割を自国のリーダーに求める傾向が薄れつつあるといえそうだ。

 欧州事情に詳しい日本の研究者は、欧州では男女平等意識が浸透し、「市民の間で女性の政治指導者に対する抵抗が小さい。優秀であれば、ジェンダーは関係ないと考える傾向が強い」と分析している。

https://www.sankei.com/premium/news/180502/prm1805020003-n1.html